タロットに描かれた本当の幸せにたどり着く物語
「タロットと自己実現の物語(1)」 の続き、大アルカナ後半の世界です。
大アルカナの世界観
大アルカナの前半は旅がスタートして経験や知識を身につけ、観念や欲望をもとに行動していく能動的な世界でした。
とにかく前に進むことで物語が動いていく。
うまくいくのもいかないのもやり方しだいだし、自分の「こうあるべき」を突き進めばいい。
そして「隠者」は思い通りに行動してきた結果を受けて、そこに疑問を感じました。
思ってたんとなんか違ってない?
ちょっと独りで考えよう
ここまでが前半。
一方、後半の物語とは・・
「思い通りにならない」ことに直面していきます。
大アルカナ後半の世界観
前半は思い通りに動ける世界でしたが、後半は「思い通りにならない」世界。
では「思い通り」ってなんなのか?
思い通りとは読んで字のごとく「思い」が「通る」こと。
思いとは
あれが欲しい、こうなりたい、などの欲望
△△でなきゃいけない、◯◯してはいけない、などの観念
それが通るとか叶うことが思い通りです。
思い通りになる時って人は悩まないですよね。
思い通りにならないから悩むんです。
大アルカナの後半は思い通りにならない世界なので、悩みや苦しみが生まれます。
旅が思ったように進まなくなる場面ですね。
原動力となっていた欲や観念が、自分を苦しめるようになっていきます。
では、どうすれば解放されるのか?
それは「思い」を手放す。つまり「欲」や「観念」を手放していくしかありません。
それでは後半の流れを追ってみましょう。
「吊るされた男」観念に足を縛られた状態
12番の「吊るされた男」は逆さづりにされて自分では動けません。
彼の足を縛っているのは「こうあるべき」という観念。
自分の観念に足を縛られて動けないんです。
「女だから」「男だから」「母親だから」「長男だから」など、何かに足を縛られて動けないことってありますよね。
主婦の方に多いのが「稼いでいないから」という観念。
自分は働いていないから、夫ほど稼いでいないから、と「好きなことをしてはいけない」と思いこんでいる人は多いなと感じます。
メリー号がもう動けないことを受け入れられないルフィたち。
「旅はメリー号じゃなきゃダメなんだ」という観念から先に進めなくなってしまいます。
「死神」こだわりを手放す
13番の「死神」は不要なこだわりを手放していく「終わり」「変容」の世界。
1つ前の「吊るされた男」で足を縛っていた観念が終わりを迎えます。
だけど自ら終わりにするのではなく、終わっていくことを受け入れるしかない「受け身」な状態です。
ルフィたちもメリー号を手放しました。
メリー号はもう動けない。それを受け入れないと旅は続けられません。
メリー号じゃないとダメというこだわりを手放さざるを得ない、まさに受け身ですね。
「悪魔」囚われの状態
15番「悪魔」は、鎖につながれています。
依存や欲望など、悪魔の魅力に囚われてそこから出られない。
だけど本当は・・出ようとしていないんです。
なぜなら居心地がいいから。
ダメなのはわかってるけどやめられないことってありますよね。
だめんずと付き合って苦労して、ようやく別れてもうこりごりだと思っているのにまた同じような人と付き合ってしまう・・とか。
これは悪魔の世界観から見ると「そこにいたい」から、抜けようとしていないんです。
なぜなら自分でも気づいていないメリットがあるから。
無意識にそこに居続けることを選んでいます。
ただそれが悪いわけではなく、何かに逃げることで救われることもあるし、自分の弱さに向き合うことが必要な時ってありますよね。
わかっちゃいるけどやめられない、です。
「星」本当に必要なもの
17番「星」はすべてを水に流して、素(裸)の自分に戻っています。
悪魔の世界で囚われていた考え方や欲望、不要なこだわりや観念などすべてがここで手放されます。
全部流し切って素の自分に返ったときに、頭上の一番輝く星に気づくことができる。
本当に必要なものだけは流されず、輝き続ける。
心からやりたいことを見つけていく世界です。
「お金がないから」「時間がないから」「家族が反対するから」など、できない理由は全部水に流して
私は本当は何がしたいの?
と自分の心に聞くときですね。
兄エースが亡くなり、何もできなくなってしまったルフィ。
だけど、ルフィの心からの希望はやっぱり「仲間」でした。
ここまでのまとめ
人生には順調な時もあれば、困難な時もある。
頑張ればなんとかなることもあれば、何もできないこともある。
考えなきゃいけない時もあれば、考えを手放すことが必要な時もある。
今の自分が思い通りの世界にいるのか、それとも思いを手放す世界にいるのか
それを知るだけでも、見えている景色が変わりますよね。
そして
目の前の景色をしっかり見て、自分で答えを決める
タロットはそのためのツールです。
次回、タロットの物語、完結