タロットと自己実現の物語(1)~ワンピース編~

 

タロットは占いのツールですが、実は哲学でもあり心理学とも関連があります。

というより占いのために作られたものではなく、占いにも使われるようになってそれが定着したというのが実際です。

これまでブログでは心理学や哲学という観点からはあまり取り上げなかったのですが、これから少しずつ書いていきたいなと思っています。

※タロットを吉凶や答えを知るために使いたい人は、読んでも意味がない記事かも知れません・・

大アルカナに描かれているもの

 

タロットは全部で78枚のカードがあり「大アルカナ(22枚)」「小アルカナ(56枚)」の2つに分類されます。

まずはより重要である大アルカナについて書いていきますね。

 

大アルカナはカード一枚ごとが大きな世界観を持っていて、さらに22枚すべてのカードで壮大な人生の物語を構成しています。

大アルカナ全体が一冊の小説本だとしたら、カード1枚が1つの章のようなもの。

「このカードが出たらこういう意味」というようなキーワード的にとらえられがちですが、実は違うんですよ。

 

カードに描かれた人生の物語

では大アルカナに描かれた人生の物語って何かというと・・

「自分軸で生きる」とか「ノーマインド」とか、「自己実現を目指す旅」とか
禅タロットでは「自分の責任で人生を生きるマスター」

いろんな言い方ができますが、わかりやすく言うと「本当の幸せに辿り着く物語」です。

 

物語の第1章にあたるスタートは1番の「魔術師」、最終章となるゴールが21番の「ワールド」。

物語が始まり完結するまでには順調なときもあれば困難もあります。

勇気を出して挑戦することが必要なとき、様子を見るとき、時にはあきらめが必要な時もあります。

 

良い悪いではなく、どんな場面も物語には大切な場面で、ゴールに至るまでには必要な道のり。

大アルカナには、そのような人生の物語の一場面を切り取ったものが1つの世界観としてカードに描かれています。

良いカード、悪いカードっていうとらえ方をしたら、大事な場面を見落としますよ

大アルカナ1番「魔術師」

大アルカナのスタートは1番のカード「魔術師」

左手を地に右手を天に伸ばし、天と地をつなぐポーズを取っています。

 

地とは「欲」や「観念」の世界。「マインド」の世界とも言えますね。
私たちが生きているこの地上です。
自分のことばかり考え、欲を満たすことが目的になっている「低次」の世界。

一方、天とは「高次」の世界。
すべての人が幸せであることが当たり前の世界です。
大袈裟に言うなら「悟り」とか「無」の世界

 

つまり魔術師のカードの世界観は

「欲や観念を手放して高次を目指す旅への始まり」です。

 

ワンピースでいうなら旅の始まりのここ

大アルカナ21番「ワールド」

大アルカナのゴールは21番の「ワールド」

旅が到達し、完成した自分の世界の中心でダンスを踊っている女神が描かれています。

 

ただ、ここで大事なのは「欲」を手放した先にある本当のゴールであり、自己実現への到達です。

あれが欲しい、こうでなきゃいけないという欲や観念が叶ったのではなく、それらを手放したから辿り着ける「本当の意味での幸せ」な世界。

ということは、当初とは違う目的地にたどり着いている可能性も大いにあります。

「思い通りのゴールではなく、思いもよらなかった旅のゴール」ですね。

 

大アルカナ前半の世界観

このように大アルカナにはスタートからゴールまでの道のりが描かれているのですが、その途中には欲を求めたり観念がつくられていく場面も当然あります。

最終的には手放していくとは言っても、欲や観念が必ずしも悪いわけではないですよね。

欲しいものを追いかけることで学ぶこともあるし、観念があるから頑張れることだってある。
それぞれ大事な一場面です。

 

とくに大アルカナの前半は、欲や観念をもとに能動的に物語が進んでいきます。

以下、一部ですが流れを書いてみました。

「女教皇」始まったことに線を引く

2番の女教皇は白黒で線引きをしていきます。

1番でスタートしたことに、感覚で線を引くことで自分がどこに向かうのかという方向性を見つけていきます。

旅に出てやみくもに歩いても進まないですよね。自分の進みたい道をはっきりさせていくのが女教皇の世界です。

 

ルフィはこうでした。

 

「教皇(法王)」こうあるべきという教え

5番「教皇」。観念がつくられるのがここ。

神に仕える教皇が描かれています。
自分の考えよりも、神の教えを重んじる「善きこと」に従う世界です。

 

親や学校の先生の言うこととか世間の常識など「こうあるべき」という観念ができていくのがこのカードの世界観。

だけどそれが悪いことではなく、こうあるべきという正しさを学び、社会性を身につけていく世界です。

 

はじめは自由な旅でも、経験が増えれば守るべき常識も観念も増えていきますよね。

そしてそれは自分を守ることにもつながります。

「戦車」欲を原動力に進む

自分が欲しいものを手に入れるために行動するのが7番の「戦車」

欲が原動力になっているし、欲しいものを思いっきり追い求める経験をする世界です。

勇気を出して挑戦するという物語では見せ場的な場面かもしれませんね。

 

「やる気はあるけど行動できないんです~てへ」なんて言ってたらダメ。

ルフィだって強くなりたいという欲求があるから努力したんです。

「隠者」過去を見つめて考える

戦車で行動した結果を受けて深く探求しているのが9番の「隠者」

自分が歩いてきた道、過去に光をあててこれまでの人生を見つめ直しています。

前半の終わりの場面です。

 

欲しい物を手に入れるために行動した結果、何かが手に入った・・
だけど、本当にこれでいいの?自分が欲しいものってこれだったの?

「欲を満たしても心が満たされない」ことに気がつくのがこの世界です。

 

たとえば、

親の言う通りに進路を決めたけどなんかモヤモヤする・・自分の人生って何なの?

がんばって働いてお金持ちになった。でもなんかさみしい。なんで?

とか思いはじめたら隠者の世界ですね。

さいごに

 

いかがでしょうかー??

もちろんここにあげた以外のカードもそれぞれの世界観があり、どれも大事な1つの場面です。

そしてカードの後半は欲や観念を手放していく世界へと物語が展開していきます。

 

悩んで答えが出せないときはしんどいですが、それは自分の視点で問題を見ているからです。

というより、ただの出来事を問題にしてしまうのも自分の物事の見方しだい。

 

だからタロットは「その問題をこのカードの世界の視点からみてごらん」と教えてくれています。

 

視点が変わると意識が変わりますよね。

そして意識が変わることで悩みが悩みじゃなくなる。

 

タロットは答えを教えてくれるのではなく、視点を変えてくれるんですよ!!

 

では次回は後半のカードについて。
こちらから↓

タロットと自己実現の物語(2)~ワンピース編~