タロット「愚か者(フール)」は非常識なおバカさん

 

タロットカードにはフール(愚か者)というカードがあります。

常識にとらわれない自由な人が描かれているイメージのカードです。

 

常識の世界を生きるとは・・

何が常識なのかは人によって違いますが、それによって行動が阻まれることは誰でもあると思います。

もちろん、常識的に生きることが必ずしも悪いわけではありません。

それを守ることで人に迷惑をかけずに生活ができたり、仲間と楽しく過ごせるなど利点のほうが多いかもしれないですよね。

 

だけど、いつでもどんな時でも常識を優先させるべきという考えは自分の進む道や、視野を狭くさせてしまいます。

フールのカードはそのような常識や当たり前が、今の状況では自分にとってジャマになっていることを教えてくれているんです。

 

フールは常識外れの愚かな人?

フールのカードを見てみるとウェイト版ではガケっぷちに立って今にも落ちそうです。

 

 

禅タロットではすでに足を踏み出しています。

 

マルセイユ版ではお尻が破れているのに気にせずどこかに行こうとしています。

 

どれも普通では考えられない、常識外れな行動ですね。

一般的な常識的な人から見ると
あいつ、何してるねん
アホちゃうか
と言われかねない状態です。

 

だけど、本人の表情は目線を上げ何も意に介していない様子ですよね。

本人はアホな行動をしているとはまったく思っていないんです。
やりたいようにやって行きたいほうに向かって進んでいます。

人は誰でも何らかの思い込みがあり、時にそれが常識となって行動を阻みますがフールは違います。

思い込みに縛られていない、不要な信念や観念にとらわれていない人なんです。

 

フールは思い込みのない特別なカード

タロットはカード全体を通じて大きな人生の流れが描かれています。

前半は思い込みが作られる世界
後半は思い込みを手放していく世界

欲のままに生きている世界から、欲を手放して本当のゴールに到達するまでの道のりが描かれているんです。

 

そしてフールは欲も思い込みも善悪も損得もない、まったくフラットな世界観のカードであり、実はフールにならなければ本当のゴールには到達できません。

人目を気にせずにたとえ周りに後ろ指を指されてもやりたいことをやりたいようにやる。

そんな自分になったときに本当の自分が心から望むゴールに到達できるということです。

 

フールが「番号を持たない特別なカード」として扱われるのはこういうところにあるのでしょうね。

実はかなり深いカードなんですよ!