セミナージプシーという言葉をご存知でしょうか?
現在、禅タロット講座の受講生(Rさん)は、数年前からセミナーに参加するようになり、毎回これで最後にしようと思うのに終わってしばらくするとまた次を探す・・を繰り返していて
自分はセミナージプシーかも?とけっこう前からなんとなく思っているそうです。
今回はそんなRさんのお話を元にセミナージプシーについて記しました。
目次
セミナージプシーとは
セミナージプシーとはざっくり言うとセミナーに依存し、渡り歩く状態になることです。
自分では向上しているつもりなので自覚がないことも多く、今現在さまよっている人も少なくないでしょう。
私もがっつりハマった過去があります(>_<)
ハマる背景にはいろいろありますが、この3つが多いんじゃないかな。
・自分探しがやめられない
・学んでいる間は前進を感じられる
・参加すれば何かが得られると思っている
自分探しがやめられない
自己啓発系とかスピリチュアル系のセミナージプシーに多いのは、圧倒的にこれだと思います。
現状が満たされていないという自覚はあって、自己探求という尊い意図のもとにセミナーに参加している(つもり)で、
「本当の自分」とか「私の使命」とか、いわゆる『自分探し』をやめられない状態。
でもね・・本当の自分は外側ではなく「内側」にいるんです。
外側に探している限り見つかることはありません。
学んでいる間は前進を感じられる
何もしていない自分や努力していない自分、成長や前進を感じられないことをダメだと思っている人に多いですね。
「ちゃんと学んでますよ」「努力してますよ」と言い訳ができるので、自分を責めることから解放されます。
さらに学んでいる間は「やってる感」が味わえるので、気分が高揚する。
だけど、1つの学びが終わるとまた違うことを探さなきゃいけないので終わりがありません。
参加するだけで結果が出ると思っている
そもそもセミナーは自分に足りないもの(知識とか技術とか)を手に入れるための学びなので、何かを得ようとすることは間違ってはいません。
ただ、参加する「だけ」で欲しいものが手に入るわけではないですよね。
学んだことを活かして成果にするのは「自分自身」です。
だけど、誰かに何とかしてもらうことを求めている人はそこに気づきません。
学び終えた時に自分が望むものが得られなければ、次をさがして「ここだったら手に入るかも」と、期待と失望を繰り返し、執着してしまいます。
セミナージプシーになる背景とは
結局、ジプシー化してしまう背景にあるものは不足感や劣等感からくる「自己否定」。
自分を否定しているから、何かを学ぶことで足りないものを補おうとしています。
だけど外側から何かを手に入れても内側の自分が満たされない限り、自分を肯定することはできません。
するとまたほかを探しては申し込んでしまう。「次こそは得られるはず」と。
ただ、じゃあもう行かないようにすればいいのかと言うと、そうでもないんです。
「行くのをやめましょう」と言うのは簡単なんですけどね。
セミナーに依存することでバランスが保てているのは間違いないし、悪いことをしているわけでもありません。
何より、無理にやめても次は違うものに依存してしまうだけです。
禅タロットでリーディング
さて、ここでRさんのお話に戻ります。
Rさんの前情報として
・参加するセミナーはビジネス系とスピ系が多い
・自分がジプシー化している自覚はなんとなくある
・借金をしてまで行こうとはしていない
・仕事の休みを調整して参加している
・独身で実家暮らし
ということで、カードを引きました。
ブッダの弟子、阿難がブッダが亡くなって泣いている場面ですが、阿難は「自分のために」泣いています。
ブッダが亡くなったからではなく、ブッダが生きている間に悟りを得られなかった自分を嘆いているんです。
悲しい、辛いという感情を無いことにせずしっかりと感じることができている状態ですね。
そして阿難は何が悲しくて泣いているのか自分でわかっていて、気が済むまで泣き続けています。
「嘆き」のカードのメッセージ
このカードが出るときは悲しんでいる自分がいるということ!
ということで、Rさんに「悲しくて泣いている(泣きたい)自分がいることに自覚はある?」と質問。
すると「う~~~~~ん」と、めっちゃ考えて「わからない」という答え。
なので質問を変えて
「何を得るためにセミナーに参加していると思う?」
と聞くと
「成功・・かな」
「成功ってどういう状態のこと?」
「えぇ・・なんだろ。わからない」
成功を手に入れるためにセミナーに参加しているのに、何が成功なのかがわからないというRさん。
これでは成功は手に入りませんよね。
Rさんも「ほんとそうですよね」とすんなり受け入れ。
引き続き質問
「じゃあ、成功したらどうなると思う?」
「お金が入ってくる」
「お金が入ったらどうする?」
「親にあげる」
「そっか。ご両親のために成功したいんやね」
Rさんはご両親にお金をあげたい。そのために成功したいようです。
ではなぜそれが「嘆き」になるのか??
そこで次の質問。
「成功してお金が入ってきてご両親にあげたらどんな気分になると思う?」
「・・見返せたと思う・・でもいい気分ではないかも」
成功したいのは、実家暮らしでご両親にお世話になっている恩返しとかではなく「見返したい」から。
というのも実はRさん、ご両親のことを嫌っています。
ではお金をあげればどうして見返したことになるのか・・
Rさんは父親に
子供の頃は「お前なんてどうせ勉強出来ない」
大人になってからは「どうせ大した働きができない」
などの言葉を言われてきました。
役に立たない人間とか、大したことのない人間と言われ続けてきたそうです。
だからまとまったお金をあげることは、見返すことになる・・と。
だけど見返そうとする時点で「自分は役に立たない」と自分で思っているし「認めてもらいたい」とも思っています。
自分で自分を認める自己承認ではなく、父親から認められることで自分を満たそうとしている状態ですね。
このやり方では心から満たされることはありません。
お金を手に入れることや、見返すことを目指すのではなく、
「お前なんてどうせ勉強出来ない」「どうせ大した働きができない」
そんな言葉をかけられ『私は悲しかったんだ』と気づいて、その悲しみを気持ちを感じ抜くこと
これが「嘆き」のカードからのメッセージですね。
セミナーに求めているものは?
否定されたり認めてもらえない経験から、周りに認められるために行動することはよくあります。
Rさんも「見返す」という形で認めさせようとしていますが、本当に大事なのは「悲しい」という自分の感情を出すことのようです。
そして周りから認めてもらうことを求めるのは、何より自分で自分を認めていないから。
周りの承認を目的にセミナーに参加しても、自分自身が認めなければ満たされることはありませんよね。
ここに気づかない限り、セミナーを渡り歩くループは続きます。
Rさん:
自分で自分を認めていないから人から認められたくて、でもその状態は他人軸だから自分が無い状態。だからずっと自分探しもしてるっていうことですね・・
と、すごく納得されてました。
まさにそう。
セミナーに求める目的がそもそも違っていて、その目的に囚われていることがジプシーになる要因なんです。
だからこそ、気づくことがまず大事!!
Rさんも一歩踏み出したのかなと思います。
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いつかはセミナージプシーのことを書きたいなと思っていたので、今回のRさんの事例はタイミングだと思い、掲載許可をいただきました。
Rさん、ありがとうございます。
長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました〜〜